糖鎖の化学合成方法

 糖鎖の化学合成は1970年くらいから急速に進歩しましたが、多様な反応を統一理解することは研究者にとっても至難の業でもありました。単純な原理を導 き、糖鎖の合成を簡単にすることができないか?との思いからグリコシル化反応の独立性を思いつき世界初のオルトゴナル縮合反応を発見しました(J. Am. Chem. Soc. 1994, 116, 12073)。この成果は今も引用され続ける息の長いものとなっています。計画を立てた時点で全て完結していましたが、実行には時間がかかります。じっくりと研究を進め一連の学術論文としてまとめました。オルトゴナル法は個相合成法に非常にマッチングが良く、糖鎖ライブラリーの合成を可能としました(Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 3851)。オルトゴナル法は非常に幅広い概念ですので様々な合成分野に波及しています。最近では細胞内での遺伝子の発現様式にまで拡張されています。

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  1. Pingback: 細胞内での糖鎖の合成制御 – Kanie Lab @ Tokai University

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