Gas phase chemistry

 

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  質量分析装置内で衝突誘起解離の条件下で立体選択的なヘミアセタールの合成を達成

 前駆体としてBoc保護したアミノ基を4番目の炭素に持つブチルグリコシド体を通常のグリコシル化法で立体選択的に合成します。これをエレクトロスプレーイオン化(ESI)法でイオンとするとナトリウム付加体として観測することができます。このイオンを衝突誘起解離(Collision induced dissociation: CID)により分解すると、Boc基を脱保護することができます。生じたアミノブチルグリコシドのナトリウム付加体を更にCIDすると、ヘミアセタールのナトリウム付加体を与えます。

アノマー選択的ヘミアセタールの合成

<世界に一つの技術>


 この最後の過程は、アミノブチル基が5員環遷移状態を経て糖のアノメリック位とは無関係に反応するため糖の一位の立体は前駆体のそれを維持します。このようにして、気相でヘミアセタールを立体選択的に世界で初めて合成することを可能としました。証明法については今後の論文を待ってください。

 これらの物質は質量分析装置から取り出すことはできませんが、分析装置内で他の物質から得られるアセタールと比較することで、構造の決定に威力を発揮します。

 




  1. 箇条書き項目Shioiri, Y. Suzuki, K. Kanie, O. A mechanism of a novel gas-phase reaction via five-membered transition state: Dissociation reaction of 4-aminobutyl glycosides under CID MS/MS conditions. J. Mass Spectrom. 2008, 43, 1132-1139.

  2. 箇条書き項目Suzuki, K. Daikoku, S. Ako, T. Shioiri, Y. Kurimoto, A. Ohtake, A. Sarkar, S. K. Kanie, O. High yielding and controlled dissociation of glycosides producing B- and C-ion species under CID MS/MS conditions and use in structure determination. Anal. Chem. 2007, 79, 9022-9029.