分子のシェープシフター

 誘導適合(induced fitting)は酵素と基質の関係として知られています。この現象を酵素阻害剤に適応したらどのようになるか?糖加水分解酵素の阻害剤として5員環アザ 糖を合成し、置換基を導入することで環構造の配座間のエネルギーが似通った状態に導くことができれば、複数の酵素を標的とするマルチファンクションな阻害 剤を見出すことができるかもしれません。そんな例として置換基によって阻害特性を変化させることが可能であることを示しました(Chem. Biol. 2001, 8, 1061)。見出した阻害剤には高い特異性で極めて強くNアセチルガラクトサミニダーゼを阻害するものがあり、これが血中のGalNAcaseを阻害するとがんの新しい免疫療法につながるため研究を行っています。

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